西田 税

忘れてはならない事跡
【二・二六事件】賢崇寺【墓前八十七年祭】

昭和維新運動の中核を成す二・二六の決起から八十七年となる。
アメリカを発端とした世界恐慌の波は我国にも押し寄せ、経済は疲弊し「大学は出たけれど」と言った流行語が示すように、インテリ階層ですら職にありつくことは困難な社会状況を作り出した。
そこに東北地方を冷害が襲い、米・野菜と言った農作物の収穫は壊滅状態となり農家は収入の途を絶たれた。
年端もいかない娘を身売りせねばならぬ程に農民等庶民階層の生活は危機的状況に陥っていたのである。
にも拘わらず巨大資本家は政治家と結託し、営利至上主義の下で私腹を肥やしていた。
この状況を座視し続けることは天皇陛下の大御心にも反する愚挙である。天皇親政の革新国家を打ち立てるべく、陸軍皇道派の青年将校が中心となり民間人と協力し決起したのが昭和十一年の所謂二・二六事件である。
その至純なる精神に裏付けられた決起ではあったが、成就することはなかった。  

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