道義無き民族は滅ぶ

戊申詔書

明治41年(西暦1908年)の今日、明治天皇より「戊申詔書」が発布された。

戊申詔書

この詔書は天皇を中心とし、皇民一体となり「忠実業ニ服シ勤倹産ヲ治メ」ることによって国運を発展させ、欧米列強に伍していく国民のとるべき「道義」を「教育勅語」と並び示すものであった。

「上下心を一にして、実直、勤勉に仕事にはげみ、信義にあつく人情の温かい世となし、華美をつつしみ、質実剛健を旨とし、放蕩や怠惰を排して各自自覚をもって励むべし。」

日露戦争後の個人主義的な快楽・官能主義の風潮や社会主義的思想の盛行を戒め、「国民道義」の作興※を求めたのだ。

人が実践すべき正しい道を「道義」という。
日本は、「誠実に生きる道義」のもとに伝統と文化を培ってきた民族である。

道義は国家の理念であり、国家は道義の実現を使命とする人間共同体である

 尾高朝雄「国家哲学」より

そして、トインビーは国が滅びる3つの要因を

①自国の歴史を忘れた民族は滅びる
②理想(道義)を失った民族は滅びる
③全ての価値を物・お金に置き換え「心の価値」を見失った民族は滅びる

と説いている。

戦後教育により、道義・道徳心は薄れ、歴史もGHQ占領軍による自虐史観をすり込まれ「建国の歴史」までをも奪われた結果、精神的腐敗が進み、老人や弱者を虐め騙す風潮が蔓延する現代社会は滅びの道を進んでいるようだ。
大東亜戦争敗戦という古今未曾有の国難さえも乗り越え、一等国に復活した日本も、明治の骨太の日本人の遺産を食い潰した結果、経済的にも学力知力的にも世界で埋没しつつある。

支那の首相であった李鵬が言った

「今の日本の繁栄は一時的なものであだ花です。その繁栄を創ってきた世代の日本人がもうすぐこの世からいなくなりますから、20 年もしたら国として存在していないのではないでしょうか。
中国か韓国、あるいは朝鮮の属国にでもなっているかもしれません」

民族の覚醒無くして日本という国家はこの言葉の通りになりつつあるのが現実である。

大墓公阿弖流為之末裔

※作興とは 人の気持をふるいおこすこと。
※尾高朝雄 法哲学者、著書に「国家構造論」「実定法秩序論」等がある。
※アーノルド・J・トインビー 英国の歴史家・歴史哲学者。戦前の国際問題の第一人者。著書に「歴史の研究」がある。