シナ海問題を分析研究する【其の壱】

支那は「大陸棚説」で沖縄海溝までをEEZと主張!沖縄は支那のモノ!

ユーラシア大陸の東西で力による一方的な現状変更の動きが進行している。
国際秩序の根幹を揺るがし、第三次世界大戦の導火線にもなり兼ねない緊迫した事態である。そこで、ウクライナ侵攻と対極をなすシナ海問題を再検証してみた。

シナ海とは

大陸から見たシナ海 China Sea

シナ海は支那大陸と台湾島間の台湾海峡によって接続する東シナ海と南シナ海とから成り、中国沿岸に接する太平洋の縁海の一つである。

支那という文字は、統一王朝となった秦以降の歴代支那王朝と中国朝廷の版図であった地域を指す。

仏領インドシナ(現ベトナム)やラオス・カンボジアやタイなど英語表記では(China)である。

南シナ海とは

 南シナ海は、海上交通路の要路と知られ、世界で扱われる原油・液化天然ガス(LNG)の半分近くが通行する世界経済の大動脈である。

パラセル諸島やスプラトリー諸島の領有権等をめぐってASEAN諸国と赤色支那の間で主張が対立しているほか、海洋における航行の自由等をめぐり、国際的に関心が高まっているが、日本にとってホルムズ海峡以上に重要な海域である為、支那がここの管轄権を主張する事態は日本の安全保障上の重大問題なのである。

南シナ海主張領有権マップ
中国海警局に所属する船舶等の接続水域内確認日数、領海侵入件数(海上保安庁HPより)

東シナ海では赤色支那に対抗しうる軍事バランスが保たれていた時代は遠い昔の事の様だ。

支那にとって、尖閣諸島の日本の施政権に対抗することは、関係改善の努力と矛盾する行動ではないと舐め切っている。
現時点においてはまだ、南シナ海・東シナ海で実際の近代的海戦を挑む意思は薄く感じらる。
直接海戦を「ASEAN」係争当事諸国や日本に対して挑んでこない事は、近未来は別として米軍介入を望んでいないからだ。
核兵器配備のロケット軍や、人民解放軍海軍主力艦隊を投入する高強度作戦でなく、紛争強度を上げずに優位に立つ不正規戦の低強度紛争戦術ではあるが・・・。
ロシアのウクライナ侵攻で国際社会が混乱する中、様子を窺いながら一気にアクセルギアを上げてくる危険は増してきている。

支那は大陸棚説にたって沖縄海溝までをEEZと主張している。

つまり、沖縄諸島は支那のモノだというのである。
支那の東シナ海制覇の本腰が始まったのは、分立していた海上保安機関が一本化され「中国海警局」が創設からだ。
【統合された支那海上保安機関一覧】
中国海監(国土資源部国家海洋局海監総隊)
中国漁政(農業部漁業局漁政総隊),
中国海巡(交通部海事局)
中国海警(公安部辺防管理局公安辺防海警総隊)
中国海関(海関総署緝私局)
海警は、国家主権を守る海上武装部隊であり、国際法上でも軍隊である事を否定しない海上法執行機関である。

2020年6月武警法改定により、「海警」は軍の指揮下に置かれた。海警船の増強と武装化も進み、1万トン級・76ミリメートル砲装備と軍艦並みである。

中国公船等による尖閣諸島周辺の接続水域内入域及び領海侵入隻数

2021年2月施行された「海警法」は、
(1)公船の武器使用は主権侵害や攻撃を受けた場合に可能、

(2)軍事的任務も執行可能、
(3)人工島も保護対象にする、
(4)領海や排他的経済水域(EEZ)、大陸棚及びその上空も法執行可能、
(5)管轄する海域・島嶼で外国建築物の強制撤去も可能、
支那は自国の管轄水域を敢えて曖昧にし、海洋法条約が認める以外の歴史的権利の水域を曖昧な表現で広げ、海上権益強化を展開している。
もし日本が現在の「空島政策」を転換し、公務員常駐の施設建築や港湾整備を行えば、中国海警が国内法に基づき介入できる法的整備が成されたのである。

東シナ海の平和は果たしていつ迄持つのであろうか・・・

大墓公阿弖利爲の末裔

東シナ海における資源開発に関する我が国の法的立場 [日本国外務省:平成27年8月3日]

1 日中双方は、国連海洋法条約の関連規定に基づき、領海基線(注:領海の幅を測定するための基線)から200海里までの排他的経済水域及び大陸棚の権原(注:国際法上正当な権利行使の根拠)を有している。

 東シナ海をはさんで向かい合っている日中それぞれの領海基線の間の距離は400海里未満であるので、双方の200海里までの排他的経済水域及び大陸棚が重なり合う部分について、日中間の合意により境界を画定する必要がある。

 国連海洋法条約の関連規定及び国際判例に照らせば、このような水域において境界を画定するに当たっては、中間線を基に境界を画定することが衡平な解決となるとされている。

(注:1海里=1.852キロメートル、200海里=370.4キロメートル)

2-a これに対し、中国側は、東シナ海における境界画定について、大陸棚の自然延長、大陸と島の対比などの東シナ海の特性を踏まえて行うべきであるとしており、中間線による境界画定は認められないとした上で、中国側が想定する具体的な境界線を示すことなく、大陸棚について沖縄トラフまで自然延長している旨主張している。

2-b 他方、自然延長論は、1960年代に、隣り合う国の大陸棚の境界画定に関する判例で用いられる等、過去の国際法においてとられていた考え方である。

 1982年に採択された国連海洋法条約の関連規定とその後の国際判例に基づけば、向かい合う国同士の間の距離が400海里未満の水域において境界を画定するに当たっては、自然延長論が認められる余地はなく、また、沖縄トラフ(海底の溝)のような海底地形に法的な意味はない。

 したがって、大陸棚を沖縄トラフまで主張できるとの考えは、現在の国際法に照らせば根拠に欠ける。

3 このような前提に立ってこれまで、我が国は、境界が未画定の海域では少なくとも中間線から日本側の水域において我が国が主権的権利及び管轄権を行使できるとの立場をとってきた。

 我が国の「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」(1996年)も、このような考え方を踏まえ、我が国が沿岸国として国際法上の主権的権利その他の権利を行使する排他的経済水域及び大陸棚の範囲等について定めている。

 これは中間線以遠の権原を放棄したということでは全くなく、あくまでも境界が画定されるまでの間はとりあえず中間線までの水域で主権的権利及び管轄権を国際法に従って行使するということである。

 したがって、東シナ海における日中間の境界画定がなされておらず、かつ、中国側が我が国の中間線にかかる主張を一切認めていない状況では、我が国が我が国の領海基線から200海里までの排他的経済水域及び大陸棚の権原を有しているとの主張をすることが重要。